
現場のリアル満載!歯科衛生士ぶっちゃけ座談会レポート
9月も後半に入り過ごしやすい時期となりました。
物事を整理するのに適した季節です。
今回は、歯科スタッフとの向き合い方についてヒントとなる動画をご紹介します。
今年1月にオンラインで配信した企画、2025年版「歯科衛生士ぶっちゃけ座談会」では、新卒・3年目・6年目の3名が集まり、それぞれの就職活動や職場選び、現場での仕事ぶりについてリアルな声を聞くことができました。
この記事では、座談会の一部をご紹介します!
3名の歯科衛生士さんが登場:それぞれの職場選び
座談会に参加いただいた3名の歯科衛生士の仕事に対する考え方を聞きました。(下記動画はダイジェスト版です)
櫻木さん:新卒学生の就活事情
参加者の一人・櫻木さん(当時専門学校3年生)は、就職活動を2年生の12月からスタート。矯正中心のクリニックに内定を決めました。就活時の希望条件は「矯正ができる」「どれだけ歯科衛生士業務ができるか」という点で複数の医院を見学。パンフレットやWEBサイトと実際の現場のギャップに悩みながら、希望に合った医院を見つけることができたと話されました。
増田さん:若手歯科衛生士の転職と職場選び
3年目の増田さんは、友人と同じクリニックに新卒で就職。その後、院内チームのドクターが新たに開院する医院に誘われ転職しました。職場選びの基準として「お休み」「通勤時間(30分以内が理想)」「給与(25万円以上、できれば歩合あり)」を挙げ、特に完全週休2日制を優先しているとお話いただきました。
AMOさん:経験者が語るキャリアの関係
6年目のAMOさんは、一般歯科やインプラント、企業勤務を経て、現在はフリーランスとして活動中。モデル業との両立も行っており、柔軟な働き方を実現しています。院内の人間関係とコミュニケーションについても多くの経験から提言していただきました。
職場選びのポイント「トップ3」は?
3人の「職場選びの基準」をランキング形式で発表。
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櫻木さん:1位「福利厚生(家賃補助・社保)」、2位「業務内容」、3位「給与」
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増田さん:1位「お休み」、2位「通勤時間」、3位「給与」
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AMOさん:1位「スタッフ・院長の雰囲気」、2位「通勤時間」、3位「衛生士本来の業務に専念できること」
座談会ではそれぞれの理由もうかがいました。
現場の「働きやすさと働きづらさ」
歯科衛生士として働くうえで、「人間関係」「環境」は大きな影響があるようです。座談会では3人の登壇者が、自らの経験をもとに“働きやすい職場”と“働きづらい職場”の違いについて、赤裸々に語っていただきました。
働きやすさ:こんな職場は居心地がいい
① チームの年齢層が近くて話しやすい
増田さんは、「年齢の近いスタッフが多く、昼休みも和気あいあいとしている。何でも話せる雰囲気があるのはとてもありがたい」と言います。同世代が多いと、悩みを共有しやすく、職場に馴染みやすいというメリットがあります。他方で「若いスタッフが多いと雰囲気は良いが、トラブル時に頼れる先輩がいない」というデメリットも。
② オープニングスタッフとして綺麗な設備
新規開院のクリニックに勤める増田さんは、最新の設備で整った環境に満足しており、「働くモチベーションも高まる」とのこと。職場環境の快適さは、衛生士にとって大きな要素です。
③ 院長やスタッフ同士の関係が良好
AMOさんや増田さんは、「困ったときに声をかけやすい」「気にかけてくれる言葉があると救われる」など、精神的な安心感がある職場を高く評価。人間関係のストレスが少ない職場は、結果的に定着率も高いといえます。
働きづらさ:現場のギャップや負担も…
① パンフレットや求人と実態が違う
櫻木さんは、見学先で「自由な髪色OKと書いてあったのに全員黒髪」「衛生士業務中心と求人にあるのに、受付業務や雑務が多い」など、事前情報と現場のギャップを感じた経験を語りました。実態とのズレがあるとマイナスの印象を与えかねません。
② 本来業務以外の負担が大きい
また、「衛生士として働けると聞いていたのに、受付や雑務が中心だった」「渉外対応まで任された」といった経験も。歯科衛生士の専門性を発揮できない職場では、やりがいを見出すことが難しくなるようです。
③ 人間関係の悪化で空気が重くなる
「忙しくてアシストに誰も入れず、現場の空気がピリピリした」といった体験も語られました。ネガティブな雰囲気は、スタッフのミスの増加や早期離職につながることもあります。
職場の空気が良いと居心地がいい
給与や休日といった条件面も大事ですが、実際に現場で重視されるのは「雰囲気」や「信頼関係」という実態が見えました。特に歯科衛生士の仕事はチームプレーが不可欠なため、「助け合いの精神」「雑談ができる関係性」が働きやすさに直結します。
人として尊重され、誰もが完璧でないと理解したうえで補い合う。こういった基本的な共通認識が欠けていると、トラブルにつながります。
院長を中心とした良い人間関係がチームワークを作る!
また、座談会では歯科衛生士たちが職場選びや働きやすさにおいて「院長との関係性」を非常に重視していることが明らかになりました。
院長への話しかけやすさは「安心感」につながる
増田さんは、「話しかけづらい院長だと、怒られたときにすごく落ち込んでしまう」と本音を吐露。その一方で、「今の院長先生は気軽に話しかけてくれて、スタッフ同士のトラブル時にも間に入ってくれる」ことが、とても働きやすいと感じているそうです。
AMOさんも、「多くを語らなくても、忙しそうな時に『大丈夫?』と気にかけてくれるだけで救われる」と話し、院長側のちょっとした気遣いや一言が現場に与える影響の大きさを語りました。
期待のすり合わせが大事
歯科衛生士たちは、「自分がやりたい業務」と「医院が求める業務」にズレがあると、モチベーションが下がると感じています。そのため、院長との面談などを通じて業務内容や期待をすり合わせる時間があると、「自分を見てくれている」と感じ、前向きに働けるようになるといいます。
「定期的な面談があると、自分の目標や希望を話しやすく、信頼関係も築きやすい」との声も挙がりました。
オンとオフ、メリハリある関係性を望む声も
また、院長が気を使っているつもりでも、LINEで業務外にテレビ番組の話題などを送ってくるケースでは、「ちょっと踏み込みすぎ」と感じることもあるようです。コミュニケーションは受け取り方によっても感じ方が変わりますが、オンオフ線引きの大切さがわかります。
良い人間関係がチームワークと患者対応に反映される
AMOさんは、「スタッフと院長の信頼関係や雰囲気は、患者さんにも伝わる」と指摘。チーム内のコミュニケーションがうまくいっている医院ほど、現場の空気が良く、患者満足度にもつながっていると話します。
良いチームワークを作るアイデアもご紹介!
通勤時間や給与という条件はすぐには変えられない部分ですが、働きやすい医院にするには、スタッフとの認識のすり合わせが欠かせません。最後は、チームビルディングに欠かせない「1on1」を実施するコツについてもお話しました。
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