歯科衛生士の意識を知る

歯科衛生士の意識を知る

歯科衛生士を採用する際に非常に重要なのが、今の歯科衛生士が職場に求めるものを理解することにあるといえます。社会の変化に伴い歯科衛生士の意識も変化しているので、採用側である歯科医院も受け入れ体制をアップデートしなければ採用は難しいでしょう。


歯科衛生士の意識を考えるうえで非常に重要なのが「働き方改革」を理解することにあります。
働き方改革とは、労働者の心身の健康、正規職員と非正規職員の格差の解消を目的とし、長時間労働の見直しや同一労働同一賃金推進、有給休暇の義務化などを行う。つまり労働者のニーズへの対応策のことを指します。


ではこの「働き方改革」を意識しながら、求職者に興味を持ってもらうためには、具体的にどのような点に気をつけると良いのでしょうか。

新規スタッフを採用する前に、離職しない環境づくりを

一番に、労務管理の徹底が重要と言えます。


出退勤を正確にチェックし歯科医院側で徹底的に管理を行い、必要な人員を見極め、ゆとりのある体制に整える。そのうえで、休憩を交代制にする、引継ぎのフローを整えるといった効率化を進めることで、人手不足による残業の多さや有給取得が困難な状況を改善できるでしょう。


職員に対し、定時退社や有給休暇取得を呼びかけるのも重要です。こうした改善が進み、労働環境が整えば「残業月10時間以内」「有給休暇消化率95%」など法律に定められた基準を上回る働きやすさをアピールすることも可能です。このように、具体的に働きやすさを示すことができると、採用活動を有利に進められる可能性は高くなるでしょう。


次に、パートなどの非正規職員の待遇も見直すべきポイントです。


多くの歯科医院にとってパート職員はなくてはならない存在ですが、正規職員と同じ仕事をしているのにもかかわらず時給が安い、皆勤手当や時間調整手当、交通費等の支給がないなど、賃金に格差があるケースは少なくありません。


現在の非正規職員の歯科衛生士は、転職活動にあたり正社員との待遇差を気にする傾向がみられ、正社員とギャップが大きすぎると感じた場合、転職先候補から外してしまうと考えられます。また、採用がうまくいったとしても、就職後に正規職員との差を不満に感じ、退職してしまうこともあるでしょう。


なので、パート勤務の職員にも、正規雇用の職員と同等の給与体系・手当・昇給制度を整えることが大切です。待遇が異なる場合は業務範囲の差を明確にし、納得してもらえる運営をする必要があります。雇用形態による待遇差を解消する事で、非正規職員の採用成功や就業後の定着率改善につながります。

働きやすさとやりがいの両方を重視

さらにいえば、歯科衛生士の間では、条件面以外での働きやすさを重視する意識が高まっているので、たとえ高条件の職場であっても、歯科医師の人柄、歯科医院内の人間関係、職場の雰囲気などが合わないと仕事を苦痛に感じ退職するということがあるので注意です。


日本歯科衛生士会が行った歯科衛生士へのアンケート(※平成27年歯科衛生士の勤務実態調査報告書)での【歯科衛生士の仕事の魅力はなにか】という質問に対しての回答として、一番多くあがったのは「国家資格である」(96.1%)、次いで「専門性の高い仕事である」(93.6%)、「人や社会に貢献できる」(91.6%)、「人に直接関われる・手助けができる」(88.2%)、「人の命や健康を守る仕事である」(91.4%)、「人に直接かかわれる・手助けできる」(88.2%)と、人々の健康に貢献できるという点と、復職がしやすく一生の仕事にできるということを魅力に感じている歯科衛生士が多いと言えます。
このように歯科衛生士は将来性もあり、やりがいも多く感じられる職種であるため、その魅力は多岐にわたります。


プライベートを充実させることができるのも歯科衛生士の魅力のひとつです。


一般的に夜勤がある勤務先は少なく、夜遅くまで診療をしている歯科医院もありますが一般的には19時頃には診療終了という歯科医院が多いのです。そのため深夜まで勤務が長引くとこもなく、歯科医院では予約制が一般的であるため勤務時間が安定しており、突発的な残業や休日出勤が少ない傾向にあるためプライベートを充実させることができます。週休3日制や時短勤務が可能な医院もありますし、日曜、祝日を休診日としている歯科医院も多く、有給を使って連休を取り、旅行などプライベートの予定を立てやすいという点も見受けられます。

高い職業意識の歯科衛生士

その他にも、⻭科衛生士として経験を積みキャリアアップができることも魅力と言えるでしょう。複数の店舗や多くの歯科衛生士を抱える歯科医院では、リーダーやマネージャーへのキャリアアップが望めます。


キャリアアップを望む人が多くなってきているのは、「障害者歯科」「老年歯科」「在宅療養」など、専門分野における口腔健康管理の重要性が高まっていることが関係しているのでしょう。また、特定の専門分野で高度な業務実践の知識・技能を修得した「認定歯科衛生士」を目指すという道もあります。これには専門分野の経験を積む必要があるので、自分が目指す専門分野を学ぶため他の歯科医院へ転職するという人もいます。


ここまでに挙げさせていただいた通り、歯科衛生士を取り巻く環境は刻々と変化が起きているため、歯科衛生士を採用する歯科医院側がキャッチアップし、変化に合わせる必要があることはご理解いただけるはずです。

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GUPPY VOICE 編集部
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