学生の情報収集の手段は?判断基準はなに?
学生の情報取集の手段と、判断基準はなにをもとにしているのか。これについてもアンケートの結果をもとにお伝えします。
1位 就職情報サイト
歯科衛生士を目指す学生が就職活動の情報源として最も活用しているのは、就職情報サイトです。
2021年3月卒業予定の歯科衛生士を対象にGUPPYが行ったアンケートでは、7割の学生が就職情報サイトを活用して情報を得ていると回答。続いて歯科医院のホームページという回答でした。
この結果から、学生は就職情報サイトで気になった歯科医院が見つかると、さらなる情報を求め歯科医院のホームページにアクセスをしていることがわかります。こういった情報からも、歯科医院のホームページから求人情報を探していくという手段ではなく、就職情報サイトを上手く活用していることがわかります。
なので、より多くの学生にアピールしていく上では、就職情報サイトへの掲載は必須と言えます。
ただし、ホームページ上にも求人内容を掲載している場合は、就職情報サイトの内容と齟齬がないように注意しましょう。
2位 就職情報誌
続いて就職情報誌から情報を得ているとの回答。理由は多くの求人情報が一度に閲覧できる。また、医院のコンセプトやスタッフの様子など、詳しい情報に触れられることもメリットとして挙げられています。
中でもGUPPYで作成している就職情報誌は全国の学校に配布されており、単行本サイズの冊子で学生が持ち帰りやすいサイズに考慮されています。こうした冊子であれば、楽に持ち帰り、じっくりと情報を見ることができるので学生には需要が高い様です。紙媒体の衰退が見られる現代であっても、学生にとっては就職情報誌が「有力な情報源の一つ」とされているようです。
3位 学校の先生 キャリアセンター・就職課
学校の先生、キャリアセンター・就職課で情報を得ているという回答も根強く見られ、この結果にもしっかりと対応していく必要があります。
対応方法としてまず初めにするべきことは、求人票を作成し、それを学校に送付します。
求人票のメリットは学校に掲示されるので、目にしやすく、そして、自分がその求人の応募要件を満たしているかどうかを判断しやすい点にあります。
この取り組みをおこなった際、実際に起こった出来事の一例を紹介します。
北海道の歯科衛生士学校へ、所在地が東京の歯科医院が求人票を送り、募集をしたところ、北海道から応募があり、採用が叶ったという話がありました。
これは稀なケースであるとは思いますが、新卒者の採用を目指す場合には、強豪の多い近隣にだけ目を向けるのではなく広い範囲で考えて見ることも、有効な手段の一つといえるでしょう。
また別の例になりますが、学校で求人をする場合は先生も求人票に目を通します。内容を作り込んだ求人票を見た先生から「生徒が安心して応募できる情報の提供ができた」という反応を得られたということもあったそうです。先生からの信頼を得ておくこと、良好な関係を築いておくことはを、長い目で見て損はないでしょう。
4位 合同就職説明会
合同就職説明会の参加者からは、求人サイトや就職情報誌ではなかなかわからないことを、対面式で話を聞くことによって「就職後のイメージがつかみやすい」といった意見が多く聞かれます。
採用側の歯科医院のメリットとしては、対面で話すことができるので、魅力を正確に伝えやすく、必要な人材に求めることもしっかりと伝えることができるので、採用に繋げやすく、離職のリスク低下につなげられます。
新卒の医院見学でやるべきこと
求職者(学生)にとって「将来の職場の情報が気になる」これは医療業界に関わらず、一般企業に就職するにしても同じく気にするところでしょう。なので、現場をみること、医院見学を実施することは重要な意味を持ちます。
求職者が実際に働くイメージを得るために、見学で得る体験やイメージ、情報はその後の内定承諾率の向上や、採用後の定着率に大きく関わってきます。
ここからは新卒者の医院見学を実施する際に大事なことを紹介していきます。
新卒学生が見学でチェックするポイント
求職者が気にしているポイントは以下4つです。
①実際の通勤環境(通勤時間)
②医院の立地
③医院の雰囲気
④診療・教育
新卒、中途に関わらずにはなりますが③医院の雰囲気、④診療・教育、この二つは医院見学でしか情報を得られません。また医院の理事長・院長・先輩スタッフの人柄、年齢層、男女比などの情報も得る機会となるでしょう。
医院見学は準備が8割
医院見学を成功させるためには「事前準備」がとても重要です。
まず、見学に来る求職者の情報を事前に把握する。その上で、忙しくなる時間帯や曜日を避けるようにします。
なぜなら、医院見学に来た求職者をポツンと1人にさせることなく、じっくりとコミュニケーションの取れる状態で迎え入れる必要があるからです。
当日に求職者をアテンドする担当するスタッフにおいても注意が必要になります。
可能な限り、求職者と年齢の近いスタッフに任せた方が良いでしょう。年代が近ければ本音も話しやすいでしょうし、価値観なども近いと考えられます。ベテランには遠慮して聞きづらいこともあるでしょうから、出来るだけ率直に意見交換がおこなえる、情報を得やすい環境を整えておくことで、求職者の医院見学に対する満足度を高めることが出来るでしょう。
さらに事前準備では、卒業した学校や、住んでいるエリア等などの情報を収集し、共通点を多く用意しておけば、求職者とのコミュニケーションがスムーズになり、親近感を与えることができます。
当然のことながら不親切な案内やネガティブな発言・態度はマイナスの印象を残してしまいます。なので、アテンドするスタッフは手が空いている、時間が取れる人に……と任せるのではなく、これまでにお伝えした事前準備を行い、実行できる適任者を選出するべきでしょう。
医院内の雰囲気に気を遣う
次に医院内の雰囲気にも気を使う必要があります。
スタッフ間でのコミュニケーションが円滑であるかどうかは、わかりやすく表われるので注意を払いましょう。
と言うのも、歯科衛生士と歯科助手では業務内容に違いがあります。それぞれが忙しく業務内容が違うため、コミュニケーションにおける軋轢がないわけではありません。なので、こういった点にも注目し、院内においてスタッフ間がギスギスした雰囲気になっていないか確認してください。
これは歯科衛生士と歯科助手だけに限らず、歯科医師との間でも同じことがいえます。スタッフ間のコミュニケーションが活発で、仲良く働けているかどうか、こうした部分が求職者から見られるポイントになるので気をつけましょう。
設備・衛生管理も重要
職場の施設、設備状態なども大事なポイントです。
休憩中にはスタッフ同士が和気あいあいとランチを食べられる場所があるのか、あるのなら、スタッフルームはきちんと消毒されているのか。さらに言えば、滅菌のやり方、空気清浄などの設備など、求職者は細かい部分も見ていると考え意識しておくとよいでしょう。
これまでにお伝えしてきたことは、細かいこと、面倒に感じることが多いかも知れませんが、基本的にはどの歯科医院でも医院見学を行っているので、求職者に対して「ここの医院の見学は対応がとても良かった」といった印象を残せるように、他との差別化を意識した努力が結果を変えていくと考えてください。
見学の時間は余裕をもって
この見学数の中で選ばれるために、自医院の良さをしっかりとアピールできるように、見学の時間はじっくり確保しておくことが大切です。
30分や1時間などの短い時間では、会話も必要最低限に限られてしまいますし、また院内の雰囲気や、患者層、細かな仕事内容といったことを表面上でしか体験できません。なので可能な限り余裕を持ったスケジュールを組むことを心掛けましょう。そしてこれに合わせて、同じ学校の生徒同士での医院見学に申し出がある際には、1人ずつ予定を分けるよりも、同時見学にするほうが、ひとりで見学するよりも緊張や不安をやわらげる効果も期待できます。医院としてはまとめての見学、案内の方が時間の短縮になるでしょう。
そして、医院見学を実施する際は、スタッフ全員に事前に伝え、当日は明るく迎え入れることを徹底させましょう。このような細かな伝達が、医院見学の成功、採用成功に繋がっていくのです。
また、自院の見学対応を見直しておくことは、内定・就職後の【こんなはずじゃなかった】という事態を避けるためにも大事な作業なのです。
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