即戦力!歯科衛生士の中途採用におけるメリットとデメリット
人材を必要とする医院にとって、望む時期に、望むスキルや経験を持つ人材を効率よく採用することが理想であると思います。その理想を確実なものとするためには、採用方法への深い理解が不可欠です。
中途採用は、時期を問わず医院の状況に合わせて行うものですよね。ただ、中途採用の場合は新卒採用よりも慎重に人材を選ぶ必要があると考えられます。なので、ここからは中途採用のメリットとデメリットを理解することで、それぞれの歯科医院に適した採用活動を実現するための情報をお伝えします。
中途採用のメリット
中途採用の最大のメリットは、即戦力となる人材を獲得できる点です。
すでに社会人や歯科医院スタッフとして実務経験を積んでいるため、スキルや経験がマッチすれば、入職してから短期間で活躍してもらえる可能性が高くなります。
歯科医院によっては人員の不足により可能な限り短期間で人員を確保したいケースもあるでしょう。その場合、中途採用の選考がスムーズに進めば、募集をかけてから数週間で入職に至る可能性も充分にあります。
急を要する場面での採用になるので、見落としがちなデメリットをしっかりと把握し、メリットのある採用となるように、中途採用で必要となるポイントを押さえていきましょう。
中途採用は、新卒採用と比較して教育コストが低い点が一番のメリットと言えるでしょう。
新卒入社の場合、歯科医院での業務はもちろん、社会人としての基礎的なマナーなどゼロベースで教育する必要があります。歯科医院によっては、現場が忙しく教育のための時間や担当者の労力を割けない場合も少なくないでしょう。しかしですが中途採用であれば、少ない教育コストでひとり立ちが可能なため、現場の負担を最小限におさえることができます。
前述の通り、中途採用は新卒採用よりも失敗のリスクが低い傾向があり、新卒採用の場合は、専門学校などで知識を身につけていたとしても実務経験がないため、仕事への適性は未知数の部分があります。
ですが、中途採用の場合は履歴書や職務経歴書などで、業務経験や経験年数、これまでの勤務先の規模などを詳しく知ることが可能なため、業務に関する力量や適性を測れます。さらに、業務上経験した困難や、問題への対処法などのスキルもどの程度持つか確認できます。また仕事へのやりがいなども明確に持っているケースが多いので、ヒアリングによって医院と相性を正確に確かめることができます。
このことからも、採用する人材に求めるスキルや人柄、仕事への姿勢などが明確な場合は中途採用の方が、希望に合った人材を見つけやすいと言えるでしょう。
また見落としがちなメリットとして、他の歯科医院のノウハウが得られます。
業務フローや患者への接し方など、これまでになかった知識や手法を導入できれば、歯科医院の成長に役立つでしょう。必ずしも有益なものが得られるとは限りませんが、データとしての価値はありますし、深堀りしていくことで新たな発見を得られることもあるでしょう。
中途採用のデメリット
このように、中途採用はメリットの多い採用方法ではありますが、デメリットの存在もわすれてはいけません。
一番のデメリットと言えば、早期転職のリスクでしょう。
中途採用のスタッフは、他の歯科医院を経験している分、新卒採用のスタッフと比べて歯科医院への愛着(帰属意識)を持たないケースが多く、長く一ヶ所に務めるよりも、やりがいや雇用条件など、自分の理想を実現できる歯科医院を探すことに重きを置いているケースが考えられます。
なので、早期に転職してしまう状況を防ぐためにも、転職理由については詳細に確認しておきましょう。
この他にも、なまじ経験がある分、自分のやり方に強いこだわりを持ち、柔軟性に欠けるケースがあり、医院の方針に従えない、合わせられないといったトラブルが発生する可能性があります。
また、即戦力を求めて中途採用に偏りすぎると、スタッフの年齢構成のバランスが崩れることで起るリスクというものがあります。
例えば、スタッフの年齢層が高くなり、若手スタッフにとって居心地の悪い環境になる可能性や、責任のあるポジションを中途採用のスタッフが担当することで若手スタッフの成長機会を奪うという可能性もあります。これは非常に稀なケースではあると思いますが、若手スタッフからすると、自分よりも経験があり仕事ができる人材が入職したことで「自分の昇進が遅れる」といった理由でやる気を失い、離職を考えるという事態に発展することも。
このことから、中途採用には大きなメリットがあるが、万能ではないということはご理解いただけると思います。
なので中途採用のメリットに重きを置きすぎず、現場の状況やスタッフのバランスなどを見ながら、適切な採用方法を選択することが安定した歯科医院の運営に不可欠であると言えます。
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